飲食店で調理師免許は不要だが、繁盛させる上で必須なモノを教える

飲食店で調理師免許は「不要」ですが、繁盛させる上で必須なモノをお教えします!

こんにちは。

 

大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。

 

ラーメン屋以外にも、「焼き肉屋」などを運営しています。

 

▼人類みな麺類▼

 

 

後ほど詳しく説明しますが、ジャンル問わず「飲食店では調理師免許は要らない」です。

 

そんな飲食店では、繁盛店に成長させるための「もっと大切なモノ」があります。

 

ということで、このページでは

 

  • 飲食店を開業する上で必要な資格・免許
  • 繁盛店を目指す上で大切なもの

 

という2つにフォーカスを当てて説明していきます。

 

 

これから開業される方に向けて「必要な資格」と「本当に必要なモノ」を分かりやすく書きました。

 

ぜひ最後までお読み頂けますと嬉しいです。


 

 

 

 

 

飲食店で調理師免許は不要!必要な資格は2つ!

まずは「調理師免許は必要なのか?」という点。

 

 

「就職」する際には必要なこともある!

まず、たとえば「ホテル内にお店を構えている企業」に就職したいとなれば、雇用条件として「調理師免許必須」は多いです。

 

また「介護施設や学校へ給食提供する業界」においても、雇用条件で「調理師免許」は必須としている場合が多いです。

 

つまり「就職」においては、「調理師免許の要否」は企業の雇用条件によって異なるので何とも言えません。

 

 

飲食店を「開業」する上では不要!

冒頭でも触れましたが、飲食店を開業する上では法律的には「調理師免許」は必要ありません

 

これは「イタリアン・寿司屋・居酒屋・ラーメン屋・焼き肉屋・etc...」問わずです。

 

飲食店開業時に必要な資格としては、

 

  1. 食品衛生責任者(必須)
  2. 防火責任者(場合によっては必要)

 

の2つだけです。

 

このうち「防火責任者」は「収容人数が30人以上の店舗」を運営する場合に限って必要。

 

したがって個人が小さい店舗を運営する上では、実質「食品衛生責任者」の1つだけが必要であり、逆に言えばそれ以外は不要です。

 

ちなみに「食品衛生責任者」を選任した上で、「店舗の設備・構造が問題ないこと」を保健所に確認してもらい、初めて営業許可が下ります。

 

関連ページ

 

 

調理師免許の有無はあまり関係ないかも?

ちなみに開業する際は『調理師免許を持っている方が集客に繋がるのでは?』とお考えになる方も多いと思います。

 

これに関しては、正直『あまり関係ないのでは?』と私は考えています。

 

なぜなら

 

  • お客さんは「飲食店開業者は全員“調理師免許”を持っている」と考えている可能性があり、あえてアピールしたところで+αの評価にならない
  • お客さんは「調理師免許の有無」を、そもそも気にしたことも考えたこともない可能性がある

 

と思うからです。

 

例えばあなたが「少し高級な時価表記の寿司屋」に行った際に、「調理師免許証の有無」に対してどのような感情を頂きますか?

 

『いちいち気にしたことがなかった』と思う方、『持っているけど飾ってないのかな?』と思う方、中には『毎度店内の調理師免許証を探す』という方もいらっしゃるかもしれません。

 

また、あなたはお店を選ぶ際に『あのお店は調理師免許を持って運営しているのか?』と調べますか?

 

『美味しいな!また来たいな!』と思った店に、調理師免許証が飾られていなかったら、今後行くのを止めますか?

 

もちろん「飲食ジャンルによる」という意見もあると思いますので、あなたがこれから開業されるにあたって『このジャンルなら持っていた方がアピールになる』とお思いになるのであれば、取っておきましょう。

 

ということで、もちろん「調理師免許は持っているに越したことはない」と思いますが、開業するのであれば『それよりも大切なモノがあるよね』と私は考えています。

 

 

 

 

調理師免許よりも、繁盛させる上で本当に大切なモノ

すでに説明の通り、飲食店開業には「調理師免許」は不要。

 

それよりも「いかに繁盛店に成長させるか」を考えることが大切です。

 

タイトルには「繁盛させる上で必須なモノ」と書きましたが、具体的には「考え方」です。

 

繁盛させるための「裏技」や「ツール」なんてものはありませんし、仮にあったとしてもそれが広がってしまえば陳腐化していきます。

 

ということで、ここでは

 

  • 接客
  • 商品

 

の2つの観点から、「末永く繁盛させる上で大切だと思っていること」を書き連ねたいと思います。

 

 

 

調理師免許よりも大切なもの①接客はめちゃくちゃ大切ということ

まずは1つ目、「接客」です。

 

飲食店において「接客」はめちゃくちゃ大切です。

 

勘違いない様先に言っておきますと「味」も間違いなく大切ですが、それ以上に私たちのような「個人の飲食店」が生き残る上では、接客の方が大切だと私は考えています。

 

理由は以下の2つです。

 

  • リピート率が変わる
  • 客単価が変わる

 

 

接客で「リピート率」が変わる

飲食店では、新規顧客に来てもらうことよりもリピーターを増やす努力をした方が良いです。

 

なぜなら新規顧客を集めるには「広告」を打つなど時間・お金が掛かる一方で、リピーターが増えることによって、そのリピーターの口コミによって新規顧客も増えるからです。

 

「リピートしているお店」の基準は色々あると思いますが、「友達にも教えたい」と思えるかどうかも一つの基準にあると思います。

 

今はSNSが発達しているので、本当に良いお店であればどんどんシェアされます。

 

では「接客の良し悪し」によって、具体的にどれくらいリピート率が変わるのか?

 

以前、697人にアンケートを取ったところ以下の数字が出ました。

 

  • 味が美味しくても、「不快な接客」ならもう行かない

    ⇒82%

  • 味が普通でも、接客態度が良ければその後も通う

    ⇒67%

 

 

実に7割弱の方が、「たとえ味が普通であっても、接客によってリピートする」と答えています。

 

今はどこも「美味しいのが当たり前」なので、突き抜けなければ「味」だけでリピートしてもらうのは難しい。

 

ではどこで差別化を図るかと言うと、その一つが「接客」だと思います。

 

ここで大切なことは、まずは「自分が“不快な接客”をしてしまっているかもしれない」ということを認識すること

 

悪気が無くとも「お客様にとって不快な接客」であれば、いくら味に満足いただけてもリピートしてもらえません。

 

たとえば「小銭を触った手で食材を触る」という行為一つにしても、『あり得ない!』という方もいらっしゃれば、『気にした事なかったし、自分自身もお店でそんな接客してしまっている…』という方もいると思います。

 

また極端な例を出すと、めちゃくちゃ愛想が良くても、めちゃくちゃ体臭がするなら嫌ですよね?

 

 

 

 

したがって、まずは「マイナス評価となり得る接客」を正した上で、「良い接客」によりプラス方向へ評価してもらえるよう努力が必要です。

 

では「お客様にとって不快な接客」や「お客様がリピートしたくなる良い接客」とは具体的に何なのか?

 

これは以前に697人へアンケートした結果として、以下の記事にまとめています。

 

なおアンケート時には「“飲食店(特にラーメン屋)での接客”についてお答えください」とお願いしていますが、「ラーメン屋」以外にもかなり役立つ内容に仕上がっています。

 

人気のページ
>>リピート率が驚異の70%に!あなたが気づいていない「不快にさせる接客」と「また来たい」と虜にする最強の接客術

 

 

 

接客で「客単価」が変わる

接客が大切な理由2つ目が「客単価」です。

 

「客単価」をあまり重視してない方も多いと思いますが、1か月単位で見ると収益が大きく変わります。

 

たとえば「毎日100人の来客があるラーメン屋」で客単価を100円上げることが出来れば、月間で30万円売上がアップします。

 

あなたのお店に入って来てくれてる時点で、そのお客様は「何か美味しい物があれば食べたい・飲みたい」という状況。

 

『なんか面白いものあるかなー。』とドン・キホーテにブラブラ入ってきたお客さんと違い、明確に「お金を払って美味しいものを食べたい」というお客様です。

 

つまり上手く接客すれば客単価は上がるハズです。

 

例①:声をかけ回ってアピール

たとえば、ある海鮮居酒屋でのこと。

 

そこでは定期的に魚を持って歩き、『この魚はなかなか取れない新鮮な●●です!●●にして食べて頂けると超うまいんですが、良かったらどうですか?まかないで出してもらった時も皆大絶賛でした!ほんと美味いです!』なんて言って回ってくるのです。

 

で、案の定、私だけでなく他のお客さんも『うーん。まぁそんなに言うなら、もらおっかな!』とすんなりと追加注文。

 

その結果「味が美味い」ことはもちろんのこと、値段を言われなかったので心配していましたが、なんとそれが900円だったのが衝撃。

 

量や味、見た目からして『2000円くらい取られるかな』と思っていたのに…。

 

つまりこの瞬間に感じたのは圧倒的な割安感でした。

 

良い意味で裏切られた私は、その後はしっかりリピーター。毎日満席なのも頷けなるなぁと。

 

安かったことを考えると「なかなか取れない」「新鮮」というのはもしかしたら嘘だったかもしれません。

 

しかしお客さんも満足し、お店側としても結果として「客単価が上がった」「リピーターになってもらえた」という一石二鳥。

 

もちろん本当に良いものを「リピーター作りのため」に割安感を演出して売っていたのかもしれませんね。

 

いずれにせよ、要は『素材をいかにして売るのか?』を考えることが大切です。

 

『この魚は売れない。違う魚を仕入れよう。』なんてやってても、売れないお店は売れないです。

 

 

アルバイトの方は「商品を売っている」のではありません。「商品を伝える」ことをしています。

 

「オススメしている理由」が添えられていることで、こちらも「感情」が揺さぶられ注文に至っています。


 

 

 

例②:常連になるとすんなり注文してしまう

私の行きつけの焼き肉屋でのことです。

 

いつも通りお店に入ると、『松村さんいつもありがとうございます!』と、名前を付け忘れずに挨拶。

 

その後いつも通り食べていると、『松村さん、実は今日は希少部位の●●を仕入れたんですがどうですか?松村さんにもぜひ一回食べてもらいたいんですよ』と。

 

となると『おぉ!じゃあそれで!』と即答しちゃうわけです。

 

つまり常連さん相手だと、「客単価アップ」へのハードルが一気に下がるのです。

 

※「相手を喜ばせたい」という気持ちのもと、本当に美味しくてオススメのものを提供するのが大前提です

 

しかもそのお店では、新人のアルバイトにも私の名前を認識させます。

 

なのでお店全体として「歓迎ムード」が出来上がっているため、非常に気持ち良く食事ができます。

 

もちろん『過度に接客されるのは嫌』という方もいらっしゃるので見極めは大切ですが、「オーナーと仲良くなれるサイズ感の個人店」であれば、間違いなく「個人」を「強み」にして営業するスタイルが良いです。

 

これは大手企業にはできない差別化へと繋がります。

 

ちなみに上で挙げた例は名前を覚えてなくとも使えます。

 

想像してみましょう。

 

もしもあなたの行きつけのお店で『いつもありがとうございます!実は今日、希少部位の●●を仕入れたんですけど一皿どうですか?めっちゃ美味いです!』なんて言われたら注文しちゃいますか?

 

もし「注文しちゃうかな」と思ったのであれば、そこのお店には信頼に値する「何か」があることでしょう。

 

では「そもそもどうやってリピーターを獲得するのか」というと、海鮮居酒屋の例で出したような「美味しさ+接客+割安感」だったり、以下で挙げているような接客を心がけることです。

 

人気のページ
>>リピート率が驚異の70%に!あなたが気づいていない「不快にさせる接客」と「また来たい」と虜にする最強の接客術

 

 

ただし、もしも「お互いに名前を覚えるレベル」にまで引き上げるのであれば、たとえば「自分が趣味に没頭している写真」なんかを色々飾っておけば、お客さんからも声を掛けてもらえるかもしれませんね。

 

つまり色んな趣味があればそれだけ確率アップでしょう。


 

 

 

 

調理師免許よりも大切なもの②「商品」も見せ方が大切ということ

 

「接客」が大切なのは説明の通りですが、もう一つ大切なのは「商品の見せ方」です。

 

いくら味が美味しくとも、見向きされなければ意味がありません。

 

ただ「見せ方」と言っても色々な観点があります。

 

 

1.商品の見た目の良さ

今はSNSによる写真のシェア(いわゆるインスタ映えなど)によって、予想以上に情報は拡散されます。

 

つまり「どんなお皿でどんな盛り付けで提供すればシェアされるのか」を考えた方が良いです。

 

たとえば隣の席に運ばれてくる料理を見て、『うわぁ美味そう!』と注文したくなったことがありますよね。

 

特に追加注文が多く出やすい「居酒屋」では、そんな料理を目指す必要があります。

 

なので色んなお店に行っては「どんな料理をどんな風に出しているのか?」を研究しましょう。

 

また「SNSでシェアされているのはどんな料理なのか?」も合わせて確認すると良いですね。

 

 

 

2.「ネーミング」や「ひと言」にもこだわる

「商品の名前」が変わるだけで、出数は変わってきます。

 

たとえば同じ「野菜サラダ」にしても、より具体的な「30品目の朝採れサラダ」の方が、フレッシュ感が伝わったり『栄養面で良さそう』という印象を持ってもらえるでしょう。

 

「何も思いつかない」という方は、デパ地下にでも行けば似たような惣菜の中にも差別化を図るために色んなネーミングがされていることに気づくハズ。

 

ただし、名前の長い商品名ばかりが並んでいても読みにくくなります。

 

その場合は、メニューの横に「産地」や「調理におけるこだわり」などを一言添えておくと印象が変わります。

 

たとえば…

 

  • 北海道の大自然で育った新鮮なジャガイモに、バターをたっぷりにはさみ込んだホクホクのジャガバター。
  • 全国から厳選した10種類以上の煮干しを、独自のバランスでブレンド。30時間じっくりと旨味を引き出し、まさに「煮干しを食べている」かのような究極の「濃厚煮干しラーメン」が誕生。

 

などなど。

 

外食に行った際は、「どんな言葉があると食べたくなるのか?どんな言葉だと響かないのか?」を自分なりに見つけてみましょう。

 

 

 

3.メニューの見せ方にもちょっとした工夫を

上で説明した「ネーミング・ひと言」もメニューに関する内容ですが、ここではもう少し違う角度で。

 

メニューにしても食券機にしても同様ですが、何をイチオシとしているか分からないお店があり『もったいないなぁ』と思います。

 

たとえば「豚骨ラーメン」に自信があり、それを食べてもらいたいのになぜかあまり目立っていない。

 

▼ こんな感じ… ▼

 

 

豚骨ラーメンの方が「リピーター獲得率」が高いのであれば、それを推していく方が良いですよね。

 

となれば「オススメ」を大きくして、分かりやすくしてあげれば良いです。

 

 

 

 

あと、たとえばファミレスであれば「セットメニュー」が色んなページに掲載されていますよね。

 

あれは「見つけてもらう(気づいてもらう)」工夫が施されているのです。

 

「気づき」で言えば焼き肉屋であれば、「このお肉にはこのワインが合うよ!」ということをメニューに書いてあげるだけで、ワインの売上はアップするでしょう。

 

ソムリエの資格を持っていれば「ソムリエ資格を持つ●●が選んだ、●●に合うワインBEST3」などを書いても良いですね。

 

もちろんすべて接客でカバーできるのであれば不要ですが、忙しい中で「接客による付加価値」を上乗せできそうになければ、メニュー作りに工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか。

 

 

「味だけで評価されている」ような気がするお店も、実は色んな工夫が施されているかもしれませんね。


 

 

 

 

まとめ

長くなってしまいましたので、最後に簡単にまとめます。

 

  • 飲食店では「調理師免許」は不要である
  • 飲食店は「食費衛生責任者」と「防火責任者(30人以上収容できるお店の場合)」だけあれば開業できる

 

免許・資格については「飲食店経営に必要な2つの資格・免許と、繁盛させる5つのスキル」で “持っているとアピールになる資格” なども含めて詳しく説明していますので、そちらもご覧ください。

 

このページで述べた「大切なこと」を要約すると…

 

 

お店の営業で大切なのは『どうすれば喜んでくれるだろうか』を常に考えること。

 

これは「接客 ・料理」関わらずです。

 

恋人のプレゼントを選ぶ時には一生懸命考えますよね。その気持ちをお客様に向けましょう。


 

ということです。
偉そうに言っておりますが、私もまだまだなので引き続き精進します。

 

最後に、お店は「人」で創られていると思っています。

 

つまり「店」と「お客様」というよりは、「人」と「人」の繋がりというイメージを持つ方が良いかもしれませんね。

 

 

さて飲食店を経営する上で「大切なこと」は、以下のページでもバラバラと話していますので、宜しければ合わせてご確認下さい。

 

 

開業する以上気になるであろう「お金のお話」は以下をどうぞ。

 

 

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