小さい飲食店の開業資金目安はどれくらい?小さく経営するメリット7つと、デメリット3つも解説します
こんにちは。
大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。
ラーメン屋以外にも、「焼き肉屋」「大学の食堂」運営などをしています。
▼人類みな麺類▼
本業のラーメン屋を経営する一方で、一時期「9.5坪のカレー屋」を趣味程度に経営していたことがあります。
ただ席数を減らせば5坪くらいでも経営できますし、私の知ってる限りで言えば4坪7席ほどの小料理屋があります。
このページでは、「小さな飲食店」において
- どれくらいの開業資金を用意しておけば良いか?
- 小さく運営するメリットとは?
- 小さく運営するデメリット(注意点)は?
という点を説明していきたいと思います。
お店の大きさで「キャパ(収容人数)」が決まりますので、単純に大きい方が「利益の最大値」も大きいです。
ですが小さくても食べていけるだけの利益は余裕で出せますので、少しでも低リスクで開業したい方にはオススメです。
「小さい飲食店」ってどれくらいの大きさ?
「小さい飲食店」は一般的にどれくらいのサイズ感を言うのか?
一人ひとり思い描く広さは違うと思いますが、このページでは「10坪(33㎡)以下」を想定してみます。
ちなみに1坪=約3.3㎡ですので、この「坪」の表現には慣れておきましょう。
さて、では10坪以下となれば何席のお店が作れるのか?
これは例えば「厨房の大きさをどうするか」「カウンターのみかテーブルも置くのか」などで変わってくるため一概には言えません。
なのでざっくりとでしか数字は出せませんが、大体以下の通りでしょう。
坪数に対する座席数
「ギュウギュウに詰めて座ってもらう」などでも席数は変わってきますが…
- 5坪:4~10席
- 6坪:5~11席
- 7坪:6~12席
- 8坪:7~13席
- 9坪:8~14席
- 10坪:9~15席
ただ「席数を多く確保すれば良い」という問題でもありませんね。
お客さんが多ければそれだけ忙しくなり、一人では見きれなくなると従業員を増やす必要も出てきます。
たとえばラーメン屋で言えば、個人的には一人で10~12席くらいまでなら回せると思っています。
もちろんこれは「メニュー数」や「オペレーション」でも変わります。
一方、お酒を出すだけのお店であれば一人で15席くらい見れるかもしれませんね。
ただし、これから作るお店のコンセプトに「ゆっくりくつろげる空間」というニュアンスが含まれているのであれば、ギュウギュウのお店でゆっくりお酒なんて飲めませんよね。
要は「お客さんにどんな場を提供したいのか」「どんなサービスを提供するのか」によって「確保できる席数」は大きく変わってくるため、上の数字はあくまでも参考程度にして下さいね。
開業資金はどれくらい?注意点は?
では「小さい飲食店」を開業するにあたって、どれくらいの開業資金が必要となるのか?
結論から言うと、最低でも500万円は用意しておいた方が良いです。
そして後ほど説明しますが、この最低水準での開業は「ギャンブル要素が強くなる」ということを前提に考えておいてください。
では、開業に必要な費用をざっくりと説明していきます。
開業資金の内訳
- 物件取得費用
- 内装・外装費用
- 厨房内設備費用
- 食器・調理道具・備品
- 什器費用
- 約6か月分の運転資金
1.物件取得費用
物件契約をする際には、おおよそ家賃の6~10か月分が最初にまとめて掛かると考えておきましょう。
地域や物件によっても用語の表現が微妙に異なるのですが、物件取得時には
- 前払い家賃
- 保証金・敷金
- 礼金
- 仲介手数料
といったものが掛かります。
このうち例えば「礼金」が「前払い家賃に含まれている」ケースもあり、それぞれの金額は一概には言えないのです。
なのでざっくりと家賃の6~10か月分が掛かると想定しておきましょう。
家賃が10万円なら60~100万円。
なお家賃(坪単価)に関しても、以下の様な要素で変わってくるため一概に言えません。
- メイン通り沿いなのか?
- 裏路地なのか?
- 路面店(1階)なのか?
- 駅近なのか?
- 駅の入り口に近いのか?
- etc...
2.内装・外装費用
内装工事とは、「厨房づくり/水漏れ防止作業/空調/電気やガスのインフラ設備/配線作業」などがあります。
そして外装工事は「塗装/タイル工事」など。
その物件が「自分がやろうと考えている飲食店」と同ジャンルの「居抜き物件」であれば、200万円くらいで済む場合もあります。
しかし元々が「ただの事務所」だった場合、飲食店として使うための「給排気・給排水・ガス・電気と言ったインフラ周りの工事」が入りますので、高くつきます。
さらにスケルトン(何もない状態)から作る場合、たとえ10坪以下のお店であっても500万円~は見ておいた方が良いです。
内装はこだわりによっても大きく変わる部分であり、それゆえ費用もピンキリです。
「以前に同ジャンルの店をしていた居抜き物件」は初期費用を抑えるためには有難い条件ですが、「同ジャンルのお店がその場で潰れた」という実績でもあります。
「居抜きだから良い」とは一概に言えないのが難しいところです。
3.厨房内設備費用
厨房内設備は、開業するジャンルによって大きく変わります。
たとえばバーやスナックなどの軽食程度のお店と、居酒屋・ラーメン屋・焼肉屋などでは必要な設備が全く異なります。
とは言え、一般的に必要になりそうな物を挙げてみると…
- 2層シンク
- 1層シンク
- 縦型冷蔵庫
- 台下冷蔵庫
- 製氷機
- ガステーブル(コンロ)
- フライヤー(揚げ物をする場合)
- 食洗器(食器洗いが追い付かない場合)
- 炊飯器
上記についてどこまで揃えるかですが、業種によっては上記以外にも必要になりますので、だいたい100万円~を見ておくと良いでしょう。
なおここでも、居抜きであれば「もともとどれだけ使える設備が残されているのか」によって費用は変わります。
※元々置いてあった厨房設備などを前の持ち主から譲り受ける場合、「造作譲渡金」が掛かる場合があります
4.食器・調理道具・備品
調理器具は10万円ほどあれば揃えられるでしょう。
食器類はたとえば「1人で回す場合に、洗い物をする時間がないため多めに用意しておく」などで変わりますよね。
さらに食器類はデザインへのこだわりなどもあると思いますが、本当に安く抑えようと思えば10万円ほどで出来ると思います。
100均でも食器は売られていますので…
あと備品(割り箸や電球、トイレットペーパーや洗剤など)は、毎月1~3万円ほどに収まると思います。
ということで、ざっくりと
- 食器・調理道具:20万円~
- 備品:毎月1万円~
掛かると想定しておきましょう。
5.什器費用
什器とは、テーブルやラック、ハンガーラックなどを言いますが、これもIKEAやニトリに行けば安く調達出来ます。
ただし、例えばガタつきのあるテーブルは「雑なお店」として捉えられる可能性がありますので、お客様の立場になってを選びましょう。
かなり安く済まそうと思えば10万円~で揃えることが出来るでしょう。
6.約6か月分の運転資金
飲食店開店後は、だいたい半年は赤字になることを想定しておくべきです。
フランチャイズなどで有名なブランドをぶら下げて出店する場合は、最初からある程度安定した集客が可能。
しかし独自店として始める場合、たとえ「美味しい!サービスも最高!」だったとしても、それが口コミやネットで広がるまでは時間が掛かります。
そのため『ある程度の赤字を耐え抜いた先に利益が出る』という考えを持っておきましょう。(運転資金がなければ上向きになる前に廃業です…)
運転資金は大きく3つ!
運転資金とは、ランニングコストとも言われる「食材費・光熱費・人件費」を言います。
※半年~の前払い家賃を払っている前提で「家賃」は入れていません
そしておおよその目安が以下の通りです。
- 食材費:売上の30%
- 人件費:売り上げの30%
- 光熱費:店によるが、10席なら10万くらい(経験から)
※すべてひと月に対する費用
もちろん「バー」などほとんどガスを使わない店舗であれば、光熱費はもっと下がるでしょう。
ですがとりあえず上記に当てはめて考えると、もしも10席のお店で「月間売上120万円」を狙っているのであれば、
- 食材費:36万円×6か月=216万円
- 人件費:食材費と同様に216万円
- 光熱費:10万円
合計442万円くらいの運転資金は確保しておけると安心。
もちろん飲食店は毎日売上が入ってくるため、そのお金を使う(いわゆる自転車操業)と、上記の資金があれば半年以上もつでしょう。
また「人件費」については、自分自身がお店に入る場合「自分の給料は0円※」として計算すれば下がります。
※生きていけるだけのお金は計算しておきましょう
「お店を持つこと」ではなく「少しでも長く存続させること」を目標とするならば、少しでも多くの運転資金を確保しておくべきです。
開業資金をまとめると…
ここまで開業資金の内訳をざっくりと説明しましたが、まとめると以下の通り。
項目 |
内容 |
|
---|---|---|
1 |
物件取得費用 | 家賃×6-10か月分 |
2 |
内装・外装費用 |
同ジャンルの居抜きなら200万円ほどで出来る場合も。 |
3 |
厨房内設備費用 | 一般的なものは100万円ほどで揃うが、ジャンルによって必要な物が増える |
4 |
食器・調理道具・備品 | 調理道具・食器は安く済ませば20万円~でも揃えられる。備品は毎月1万円~を見ておくと良い。 |
5 |
什器費用 | ニトリやIKEAなどでケチれば10万円~で揃えられると思う。 |
6 |
約6か月分の運転資金 | 狙っている売上による。 |
居抜き物件か否か、もともとの厨房設備が使えるのか否か、食器や什器をどこまで安く抑えるのか、いろんな部分で費用は変わります。
ただ、仮に「家賃10万円」で「居抜きで厨房設備も残されている超条件の良い物件が見つかった」と仮定してみると…
- 物件取得費:120万円
- 内装はほぼそのまま使う:200万円
- 厨房設備は使えるが、造作譲渡費がかかる:100万円
- 食器や調理機器は新しくする:20万円
こんな感じで最低440万円でスタートすることは出来ます。
ただ運営資金を用意しておかなければ、資金枯渇で廃業に追い込まれます。
また「中古の厨房機器を使ってすぐに故障してしまう」などの問題も出てきます。
開業資金は削ろうと思えばある程度削れますが、お客様が満足して『また来たい』と思ってくれるお店にしなければ意味がありません。
資金を削って「非日常空間」を創れますか?「家庭的」と「家で食べている感じ」は違います。
そして何より、最初の赤字期間を乗り越えて存続できなければ意味がありません。
という事で、冒頭では『最低でも500万円は用意しておいた方が良いが、この水準での開業はギャンブル要素が強い』と説明しました。
開業時は自己資本だけでなく「借入」も最大限に活用しましょう。
不要になれば前倒しで返済も可能です。
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上記の通り、飲食店を始める時には大きな費用が掛かりますし、営業し始めてからも掛かり続けます。
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「相見積もりを取った業者の方が安い」というのはただの妄信です…。
また営業が始まってからも、箸や爪楊枝、紙ナプキン、洗剤など、消耗品を楽天で購入する方も多いです。
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「小さい飲食店」を経営する7つのメリット!
小さい飲食店は、大きい飲食店と比べて様々な面でメリットがあります。
ここでは私が思いつく7つのメリットを挙げてみます。
1.開業資金・ランニングコストが低い
開業資金は「開業資金はどれくらい?」で説明した通りですが、店が大きくなればなるほど
- 家賃が高くなる
- 厨房機器・什器・食器が多く必要になる
- 電気代が高くなる
- 人材募集が必要になる
ということで「資金集め」が大変なだけでなく、開業後のリスクも高まります。
コンパクトになればなるほど必要な物が少なくなるため、「イニシャルコスト(初期費用)」「ランニングコスト」ともに下がり、比例して開業後のリスクが下がります。
関連ページ
>>ランニングコスト・イニシャルコストの意味と違い【10秒で理解】
2.人件費が浮く
これも「ランニングコスト」の一つですが…。
「自分ひとりでも回せるお店」や「忙しい時間だけ家族が手伝ってくれれば回るお店」であれば、人件費が浮きますので利益が残りやすいです。
また人材を募集するのにも費用・手間がかかります。
昨今は人件費が上がりつつあるため、この点は大きなメリットとして挙げられます。
昔から潰れずに残っている「街の中華料理屋」などは、人件費を抑えられる「家族経営」がゆえに存続していることも多いです。
小さいお店でも「年収1000万円」を目指せるのは、「人件費が安い」という要素が大きいです。
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3.顔を売りやすくなる
店が小さければ小さいほど席数が減るため、一人ひとりのお客さんとコミュニケーションを取れる機会が増えます。
複数店舗経営ではなく、1店舗でのんびりと飲食店経営をしていく考えであれば、味だけでなく「オーナーに会いに食べに行く」と言って下さるお客様を増やせると、細く長く生き延びられる可能性が高まります。
要は「個性」が売りになります。
4.目が行き届きやすくなる
「良い接客」とは何だか分かりますでしょうか?
それは「気づきがあるか否か」。
- お客さんが箸を落とし、こちらを呼ぶ前にサッと持っていけるか?
- お客さんがお皿を欲しがるそぶりを見せたとき、サッと差し出せるか?
- お客さんがお手洗いに席を立った瞬間、スマートに案内できるか?
- お客さんが寒がっていたら、すぐに風向きを変えられるか?
細かい部分まで挙げだすとキリがないですが、要は「何を欲しているか」「何が足りていないか」にコチラが気づけるかどうかです。
もちろん広いお店であればスタッフも増やして、この気づきを増やせていければ問題ありません。
ただしそのような従業員へとなかなか育たないのも事実。
したがって、自分の目が行き渡る範囲の規模感の方が「良い接客」を提供しやすいとも言えます。
5.従業員の意識が「経営目線」になるかもしれない
上で「“気づき”を持てる従業員はなかなか育たない」と書いたので若干矛盾しますが説明します。
小さいお店であれば従業員が少ないので、必然的にオーナーとの距離が近くなります。
つまり経営を一緒に感じ、喜怒哀楽を共にする存在になり得ます。
そのような従業員は「自分自身の役割」をしっかり考え、「お店のために何が出来るのか」を主体的に考えてくれる可能性があります。
なぜならお店が潰れれば、自分自身も路頭に迷うことになるからです。
もちろん『オーナーの店が失敗しても関係ない。また違うお店に雇ってもうらだけ。』と軽く考えている方も必ずいますが…。
少なくとも「社員として雇われている5人のうちの1人」よりは「社員として雇われているたった1人」の方が、『お店に必要とされている!自分が何とか支えなければ!』という意識は強いと思います。
6.行列を作りやすくなる
「評判の良いお店」にはお客さんが集まりますが、キャパが小さければ外に並んで頂くことになります。
そして外に出来た「行列」が、「その行列を見た人」を引き寄せることになります。
誰もが一度は『あの店いつも並んでるよね。一回行ってみよっか。』という会話をしたことがあるハズ。
7.キャッシュレス非対応でも問題ない
分かりにくいので結論を先に述べると、「キャッシュレス」は「キャッシュフロー」に関わります。
世の中は「キャッシュレス化」に進んでおり、もちろんお店の決済方法の選択肢を増やすという意味では、キャッシュレス(クレジットカードや●●payなど)はあるに越したことがありません。
そんなキャッシュレス決済は、大手のお店なら「使えるのが当たり前」であり、使えない場合に『なんだ使えねーのかよ!不便なお店だなぁ』と悪い印象を残す可能性があります。
一方で小さなお店なら『すみません対応していないんですよ…』と返事をしても、『小さいから仕方ないね!』とさほどマイナスな印象は残しません。
そして「キャッシュレス」による一番の問題は「キャッシュフローが悪くなる」ということ。
つまり「現金が手元になくなってしまう」ということです。
大手であれば売上のお金をそのまま使わなくとも回るでしょうが、小さいお店であれば死活問題に直結することも。
その点、まだまだ小さいお店では「クレカ」や「●●pay」に対応しているところが少ないので、ある意味メリットとも言えるかなと思います。
もちろんキャッシュレス化してると「団体客を呼び込みやすくなる」などのメリットがありますので、選択肢としては「あった方が良い」のは言う間でもありません。
キャッシュレス決済の導入も検討されている場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連ページ
>>キャッシュレス決済3種を店舗導入!5社を比較した結果まとめ<費用・内容>
「小さい飲食店」を経営する際の3つのデメリット!
小さい飲食店にはメリットが多いですが、もちろんデメリットも存在します。
1.売上の天井が低い
お店の大きさ(キャパ)が大きくなればなるほど、席数が増えるため「売上の最大値」も高くなります。
つまりお店を小さくすればするほど「売上の最大値」は下がります。
ただし、行列が出来るほどのお店になれば「近所に店舗を出す」「既存店舗を拡張する」という方法も。
また、10席あれば年収1000万円を狙う事も理論的には可能です。
人気のページ
>>飲食店経営の年収がヤバイ!1000万は余裕?<現役オーナー暴露>
ちなみに私の創業店「人類みな麺類」は、18席⇒24席へと拡張しています!
すでに行列店でしたので、改装費は3か月で回収できました。
2.仕入れ時にコストダウンが図りにくい
一般的に業者から「大量に仕入れるほど単価が安くなる」というのが当たりまえであり、飲食業界でももちろんあります。
しかしあまりに小さいお店であれば、一日の商品提供数が低く「仕入れ数」も当然低くなりますので、コストダウンに繋げられない可能性があります。
3.病気時などに存続の危機に陥る
「人件費が掛かりにくい」というメリットがある反面、お店を回せる人間をほかに用意しておかなければ、病気を患った際にお店の営業が出来なくなります。
またお店が小さくて従業員が少ない分「一致団結」出来れば強いですが、いざこざが起こると厄介です。
さらには従業員が急に「飛ぶ」ようなことがあった時に、代役候補が少ないとも言えます。
メリットとデメリットは表裏一体ですね。
「小さい飲食店」を経営する際の3つの注意点!
さいごに「小さい飲食店」を経営する場合の注意点を3つ解説します。
1.「動線」を考えよ!
一人もしくは少人数でお店を回す場合は特に、以下の3つの動線が大切です。
- 無駄なく厨房内作業ができること
- 無駄なくサービス提供できること
- 無駄なく会計できること
まずは、1歩でも少ない動きで調理できるように厨房設備の場所を考えること。
それだけでなく、下げたお皿をどこに置き、どこで洗うのがベストなのかも合わせて考えましょう。
また厨房から手を伸ばして提供できるのか、ホールまで出なければならないのか、その「一見小さな違い」が忙しい中では「大きな違い」になります。
お会計は食券機で済ますのか?カウンター越しに手渡しなのか?それとも出入り口にレジを置くのか?
『小銭を触った手で食材を触るな!毎回手を洗え!』という声も出てくるかも?
少人数で効率よく回せる方法を考えましょう。
2.コストダウンはほどほどに!
「小さい飲食店」をしたい方の多くは、『あまり資金が無いから』という理由からでしょう。
そのためついついコストダウンに走りますが、ここで要注意なのが「初期投資」をあまりに削ってしまうこと。
コストダウン自体は悪いことではありませんが、『削るべき部分』はしっかり考えましょう。
たとえば「工事内容」は経験上「工事費用に比例する」ため、なるべく削らない方が良いです。
パっと見問題なくとも、見えない部分(給排水管やダクトなど)に問題が出る可能性があります。
したがって削るなら「デザインや設計」の部分。
素材一つにしても、なるべく雰囲気を変えずに安い素材に変更するなどで対応します。
また什器にしても内装にしても、あまりに「安っぽい感じ」にしてしまうと、お店に「雰囲気」が出なくなります。
お客様は「商品・サービス」のほかに、「雰囲気」も含めてお店を選びます。
家でもお酒が飲めるのに、バーに行くのはなぜなのか?
もちろん「普段とは違うお酒が飲める」ということもあると思いますが、お酒が美味しく感じられたり、心地良くなれる「雰囲気」があるからでしょう。
3.テーブルを置く場合は2名掛けにしておこう
もしもテーブル席を用意するのであれば、席数が少ない中で少しでも回転率を上げるため、2名掛け×2を用意して4名掛けにしておきましょう。
「ゆったり」をコンセプトに『2人でも4掛けテーブルを使ってもらい』という場合は4名掛け×1でも良いと思いますが…。
まとめ!
小さい飲食店の開業資金目安や、小さく経営するメリット・デメリットを解説しました!
最後に簡潔にまとめてみます。
開業資金について
- 居抜き物件であれば最低500万円くらいから開業できる可能性はある
- ただし開業資金のほかに、「半年分ほどの運転資金」を確保していなければ、すぐに廃業してしまう可能性がある
小さい飲食店のメリット
- 開業資金・ランニングコストが低い
- 人件費が浮く
- 顔を売りやすくなる
- 目が行き届きやすくなる
- 従業員の意識が「経営目線」になるかもしれない
- 行列を作りやすくなる
- キャッシュレス非対応でも問題ない
小さい飲食店のデメリット
- 売上の天井(最高値)が低い
- 仕入れ時にコストダウンが図りにくいく
- 病気時などに存続の危機に陥る
小さい飲食店を開業する際の注意点
- 「動線」をしっかり考えること
- コストダウンしすぎないこと
- テーブル設置時は2名掛けを使い、柔軟性を持たせること
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なお飲食店を開業する際には「資格」が必要ですので、開業をお考えの方は以下の記事も合わせてご一読下さい。
>>飲食店経営に必要な2つの資格・免許と、繁盛させる5つのスキル
さらに「飲食店の難しさ」と「潰さないための考え方」などを以下で説明しています。
開業する以上気になるであろう「お金のお話」は以下をどうぞ。
- 飲食店経営の年収がヤバイ!1000万は余裕?<現役オーナー暴露>
- 小さい飲食店の開業資金目安と、小さく経営する7つのメリット!
- 飲食店の原価率がヤバイ!絶対知るべき3つの真実【現役が解説】
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- 飲食店の「人件費目安は30%」は嘘?ヤバイ実態と対策を教える
以上、参考になりましたら幸いです。