ベネフィットとは?意味や使い方、「メリット」との違いを解説します
こんにちは。
大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。
ビジネスではよく使われる「ベネフィット」という言葉。
何となく「メリット」と同じような意味で使っている方も多いと思いますが、ベネフィットとメリットは明確に意味が異なります。
『メリットではなくベネフィットを伝えよ』というのはよくある話で、私も意識しています。
ここではそんなベネフィットの意味や使い方、メリットとの違いを分かりやすく解説します。
ベネフィットは「マーケティング基礎の一つ」とも言われているため、正しく理解してビジネスへ活かしましょう!
ベネフィットとは?意味を分かりやすく解説します
ベネフィットとは、英語の「Benefit」をカタカナ読みした言葉であり、基本的な意味としては「利益」を指します。
しかしそれ以外にも、
- 人や社会の幸福につながる「恩恵・便益」
- 「援助」「手助け」
- 社会保障制度などによる「給付」「慈善活動」
などの意味もあります。
ビジネスで使われる際の意味とは?
ビジネス(マーケティング)においては、ベネフィットは「顧客が商品から得られる恩恵(プラスの効果)」を指します。
各商品には何らかの「価値のある特徴(メリット)」があるハズ。
そしてこの特徴から、「どのような良い体験ができるのか?どのような良い変化があるのか?」を表す部分がベネフィットです。
これだけでは分からないと思いますので、ここから「ベネフィットとメリットの違い」について解説していきます。
混同される「ベネフィット」と「メリット」の違いを具体的に説明
ベネフィットとメリットは混同されがちですが、カンタンに言うと
- メリット
⇒商品の売り・特徴
- ベネフィット
⇒その商品を手にして何がどのように変わるのか?何が得られるのか?
の違いがあります。
「メリットの先にベネフィットがある」イメージですが、ここではもう少し具体的に説明していきます。
まずは「メリット」を理解しよう
ベネフィットを理解するために、まずはカンタンに「メリット」の話に触れます。
メリットをひと言で言うと、「商品の売り」「商品の特徴」です。
たとえば以下の「ポット型浄水器」を例に出してみましょう。
このポット型浄水器のメリット(売り・特徴)は以下の通りです。
- 水道水に含まれる15もの物質を除去できる
- コンパクトで無駄がなく、冷蔵庫のドアポケットにも入る
- 高速除菌フィルターによって、スピード浄水できる
- 持ちやすい形状で、蓋を外さなくても給水が出来る
- だいたい3ヶ月間使える
これらの「特徴」を見ても、多くの人は『なるほどね…!』で終わってしまうでしょう。
同類商品を見比べる時には上記のような「機能面」を見て比較すると思いますが、ポット型浄水器を知らない人からすると「どうでもいい」情報です。
「ベネフィット」はその先にある恩恵(体験・変化)
ベネフィットは「その商品を手にして何が変わるのか?」を表す部分と説明しました。
ビジネスにおいて、多くの人はメリットを伝えがちですが、伝えるべきはベネフィットです。
このポット型浄水器を例に出すと、以下の様なベネフィットが考えられます。
- 重い水を、わざわざ買いに行く必要がなくなる
- ペットボトルを捨てる必要がなくなることで、ゴミ袋の削減、ラベルを取る手間や分別する手間がなくなる
- ミネラルウォーターを買うより安いため、お米を研ぐ時にも躊躇なく浄水を使え、結果としてゴハンも美味しく炊ける
- 水道が通っている限り、いつでも美味しい水が飲める
などなど。
仮にスーパーの「ミネラルウォーター売り場」の横に「ポット型浄水器の宣伝ブース」があったとして、「メリット」をあれこれ伝えられても購入しようとは思わないでしょう。
ですがベネフィットを伝えられた場合はどうでしょうか?
重いペットボトルを持ったまま、ついつい話に耳を傾けてしまうかもしれませんね。
ということで、「お客様は商品を買うのではなく、その先のベネフィットを買う」という意識を持つことが大切です。
なおミネラルウォーターを購入する方は、「ペットボトルに入った水」が欲しいのでも「浄水器」が欲しいのでもなく、「美味しい水」が欲しいのです。
浄水器はそのための手段の一つに過ぎませんが、伝え方一つで購入意欲は大きく変化するということです。
「ベネフィット」という言葉の使い方!
実際の会話の中で「ベネフィット」という言葉を使う時は、大きく2つのシーンに分かれます。
①ビジネス(マーケティング)でのベネフィット
ビジネスにおいて使われる場合は、ここまで説明してきた通り「その商品を手にして何が変わるのか?」を表す部分と説明しました。
実際に言葉にして使う時は、以下の様に使われます。
例文
- 「売上改善のために一旦クライアントの課題を洗い出し、ベネフィットを整理・理解しよう。」
- 「この昇降デスクのメリットはボタン一つで上下出来ることですが、ベネフィットとしては腰痛改善や生産性の向上などが挙げられます。」
②医療現場でのベネフィット
医療現場でも、薬に対して「ベネフィット」という言葉が用いられます。
薬におけるベネフィットとは、「くすり本来が目的としている効き目」のこと。
しかしその他の好ましくない「副作用」が出ることもあり、これを「リスク」と言います。
たとえば抗生物質によって細菌感染を治療する(ベネフィット)一方で、下痢を伴う(リスク)こともありますよね。
例文
- 「薬にはベネフィットがある一方で、必ずリスクも存在している。」
対義語からも、ベネフィット・メリットの違いが分かる
余談ですが、最後に「対義語」について。
メリットの対義語は「デメリット」ですよね。
メリット(利点)⇔デメリット(欠点)と表現すると分かりやすいです。
たとえば「スマホ決済(スマホを近づけて決済できるシステム)」のメリットは、【クレジットカードを別に持ち運ばなくて良いこと】です。
デメリットは【電池が切れると使えなくなること】でしょう。
ベネフィットの対義語は…
ベネフィットは「利益」を意味するため、対義語は「損失・不利益」を意味する
- loss
- disadvantage
- damage
などが当てはまります。
では、スマホ決済のベネフィットを無理やり一つ絞り出すとすると…
利用履歴が管理できることから、「支出管理のためのレシート保存」の必要性がなくなり、財布内の整理も楽になる
ということでしょうか。
そしてその対義語(不利益)はと言うと…
スマホの電池が切れて改札から出られなくなり、商談に間に合わなかった
のような損失です。
このように「そのものの長所・短所により、どのような利益・不利益があるのか」に当てはめて見ると、メリット・ベネフィットの違いがより分かりやすいかと思います。
まとめ
ベネフィットの「意味」や「メリットとの違い」、「言葉の使い方」について解説しました。
ビジネスにおいては昔から重要視されている概念の一つなので、ぜひ覚えておきましょう。