割合とは?計算方法(求め方)と、小学生でもパッと出せる考え方を解説します
こんにちは。
大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。
小学校で学んだ「割合」は、社会人になってからも当たり前のように使われます。
ところがしっかりと理解していない方や、パパッと計算出来ない方が案外いらっしゃいます。
そこでこのページでは【小学生でも分かる】を目標に、「割合」を分かりやすく解説しました。

「割合」の意味を知ることも大切ですが、日常生活で使われる「歩合」「百分率」の意味・考え方を理解しておきましょう。
これらの語句も含め、すべて説明します!
割合の意味を図解で分かりやすく解説
割合とは「2つの量を比べる時に用いられる考え方」です。
「全体の量」に対して「比べる量」はどれくらいの大きさなのか?を求めます。
この「どれくらいの大きさなのか?」を具体的な表現に言い変えると、「何倍か?」「何割か?」「何パーセントか?」の3パターンです。
『“全体の量” ってなんだ?』と引っかかる方は、「比べられる量(基準とされる量)」と考えましょう。
計算式を出すと以下の通り。
たとえば『30という数字は、50の何倍か?』という質問があった場合、「“50” に対して何倍なのか」を問われているため、50が「比べられる量」ということ。そして30が「比べる量」です。
ちなみに割合の表現方法としては、「分数」「小数」「歩合(割)」「百分率(%)」があります。
その点も順に説明します。
では例として、「限定100枚のTシャツの予約数」をこの式に当てはめて考えてみましょう。
限定100枚のTシャツに対し、予約数が10枚の時
限定100枚のTシャツ(全体の量)に対し、予約数10枚(比べる量)は何倍なのか?
上の式に当てはめて考えてみると…
※分数と小数の関係についての説明はここでは省きます
よって限定100枚に対して予約数は0.1倍(100分の10倍)ということが分かります。
図にしてみると以下の通りです。
限定100枚のTシャツに対し、予約数が120枚の時
では限定100枚のTシャツ(全体の量)に対し、予約数120枚(比べる量)の場合は何倍なのか?
上の式に当てはめて考えてみると…
よって限定100枚に対して予約数は1.2倍(100分の120倍)ということが分かります。
図にしてみると以下の通りです。

「●倍です」という時は、通常は『1.3倍だね!』という様に「小数」を使います。
なお、
- 【1倍】であれば、「全体量」と「比べる量」は同じ
- 1.7倍など【1倍以上】であれば、「全体量」より「比べる量」の方が大きい
- 0.3倍など【1倍以下】であれば、「全体量」より「比べる量」の方が小さい
ということが分かります。
「●割」などの【歩合】との関係について!
日常生活において『5割引き!』など「●割」という概念が使われることが多いですが、これは【歩合】という考え方に出てくる「割」のことです。
【歩合】では、「割」「分」「厘(りん)」という3つの単位が使われます。
この【歩合】のことを「割合」だと考えている方も多いかと思いますが、歩合は「割合を表す方法の一つ」です。
歩合(でよく用いられる“割”)とは、全体量を「10」とした時に、比べる量の大きさを表したもの。
先ほどの「限定100枚のTシャツ」を例に当てはめてみます。
もしも予約数が100枚であれば10割。(つまりそれは、予約数が全体数と同じということ)
90枚であれば9割。30枚であれば3割。
「小数・分数」では、「全体量を1として “比べる量” の大きさ」を表しました。
※たとえば「1.7倍」や「0.3倍」のように。
一方の「歩合」の場合は「全体量を10として、“比べる量”の大きさ」を表します。
なお、上の例では分かりやすく「100枚のTシャツ」を全体数としましたが、たとえ全体数が「50枚」であったとしても、50枚を10割として計算します。(その場合は、5枚で1割、10枚で2割… です)
ちなみに、仮に「100枚限定(全体数)」に対して予約数が「130枚(比べる量)」になってしまった場合は、全体数に対する量は13割(※)です。
※10割を超える表現の場合は、次に説明する「%」を使うことが多いですが、一応「歩合」でも表現はできます
ここで「分数・小数」と「歩合」の関係を表にしてみます。

「分」や「厘」については、「割」でキレイに表せない時に使います。
たとえば限定100枚のTシャツを予約した人が11人いた場合は、予約率は「1割1分」です。
“割” 表現では全体量を「10」としながらも、それでは上手く表現できない部分は “分” 表現によって全体量を「100」とします。
※11人中10人は “割” 表現で表せるが、残り1人については “分” 表現でなければ表せない
なお「歩合」での計算式は、後ほど「割合」をパパッと出す計算ツール5つで解説しています。
「百分率(%)」との関係について!
もう一つ抑えておくべきものとして「パーセント(%)」という概念があります。
パーセントとは「百分率」で求められる単位のこと。
「百分率」とは、全体を100%としたときに、対象の数字(比べる量)がどれくらいなのかを表すものです。
上で説明した【歩合】は「全体量を10とした時の、“比べる量”の大きさ」を表すと説明しましたが、百分率は全体量を100とします。
ここでも「限定100枚のTシャツの予約率」を例に挙げてみましょう。
上の例では分かりやすく「100枚のTシャツ」を全体数としましたが、たとえ全体数が「50枚」であったとしても、50枚を100%として計算します。(その場合は、Tシャツ1枚は全体の2%にあたる)
また、仮に「100枚限定(全体数)」に対して予約数が「130枚(比べる量)」になってしまった場合は、全体数に対する量は130%です。
ここで「小数・分数」「歩合」「百分率」の関係性を表にしてみます。
上の表を覚えておけば、「割合」に関してはパーフェクトでしょう。
「割合」をパパッと出す計算ツール5つ!
ここでは「割合」として使われることの多い【歩合】を用いて、カンタンに計算出来るツールを5パターン用意しました。
- ある数のX割はいくつか?
(例)300の1割はいくつか?
- ある数は全体の何割か?
(例)30は100の何割か?
- 全体のX割がある数の時、全体はいくつか?
(例)全体の1割が20の時、全体はいくつか?
- ある数のX割引きはいくつか?
(例)5000円の3割引きはいくらか?
- ある数は、ある数の何割増なのか?
(例)今年の売上100円は、前年の50円より何割増えたのか?
1.ある数のX割はいくつか?
たとえば「300の1割はいくつか?」という計算。
このような『ある数のX割はいくつ?』という計算は、
「ある数」×「X割」 × 10
で求められます。
2.ある数は全体の何割か?
たとえば「30は100の何割か?」という計算。
このような『ある数は全体の何割か?』という計算は、
「ある数」÷「全体」× 10
で求められます。
3.全体のX割がある数の時、全体はいくつか?
たとえば「全体の1割が20の時、全体はいくつか?」という計算。
このような『全体のX割がある数の時、全体はいくつか?』という計算は、
「ある数」÷「X割」× 10
で求められます。
4.ある数のX割引きはいくつか?
たとえば「5000円の3割引きはいくらか?」という計算。
このような『ある数からX割を引くといくつか?』という計算は、
ある数 × (10 - X割) ÷ 10
で求められます。
税込・税抜までも計算できる
>>割引計算が1秒で出来るツール【小学生でも分かる考え方も解説】
5.ある数は、ある数の何割増なのか?
たとえば「今年の売上は100円であり、前年の50円と比べてX割増えた」という計算。
このような『ある数は、ある数の何割増なのか?』という計算は、
「ある数(比べる数)」÷「ある数(比べられる数)」× 10
で求められます。
なおこの例で言うと「比べる数=100円」「比べられる数=50円」。
なぜなら「前年の50円と比べて」という表現にあるとおり、基準となる数字(比べられる数字)は50円だからです。

「前年比」や「増減率」を見たい場合は、【歩合】ではなく【パーセント(百分率)】で見る方が分かりやすいです。
以下のページでパパッと計算できます。
関連ページ
>>ある数は、ある数の何パーセント増なのか?
まとめ
割合の考え方と、分数・小数・歩合・百分率との関係、計算方法について解説しました。
さいごに「分数・小数」「歩合」「百分率」の表をもう一度載せておきます。
ビジネスではもちろんのこと、日常生活でも多々使うことがありますので、パパッと暗記できるように「考え方」を覚えておきましょう。
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