【超簡単】エビデンスとは?意味と3つの使い方をイメージ解説

【超簡単】エビデンスとは?意味と3つの使い方をイメージを使って解説します

こんにちは。

 

大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。

 

ビジネスの世界で使われることの多い「エビデンス」という言葉。

 

ここでは【中学生でも分かる】を目標に、「エビデンス」の意味・業界ごとの使い方・類語との違いなどを分かりやすく解説します。

 

 

 

 

エビデンスの意味合いとしては、シンプルで分かりやすいです。

 

ビジネスシーンはもちろん、医療や政治など幅広い分野において用いられます。


 

 

 

エビデンスの意味は?まずは10秒で簡単に理解!

エビデンス(evidence)とは、英語のevidenceをカタカナ読みしたものであり、

 

  1. 証拠
  2. 根拠
  3. 形跡

 

といった意味で用いられる言葉です。

 

一つずつ、わかりやすく「イメージ図」で解説します。

 

まずは簡単にイメージ解説!
意味①:証拠

証拠とは、「真実を証明する材料」のことを言います。

 

【“証拠” のイメージ図】

 

 

 

まずは簡単にイメージ解説!
意味②:根拠

根拠とは、「もとになる理由」のことを言います。

 

【“根拠” のイメージ図】

 

 

 

まずは簡単にイメージ解説!
意味③:形跡

形跡とは、「その物事が行われたあとかた」のことを言います。

 

【“形跡” のイメージ図】

 

 

 

ここまでは3種類のニュアンスをカンタンに解説しました。

 

ここからはもう少し深く解説していきます。


 

 

 

 

「エビデンス」の使い方は大きく3パターン!

「エビデンス」の本質的な意味は、冒頭で説明したとおり「証拠」「根拠」「形跡」であり、どの業界でも同じです。

 

ただし業界によって、「エビデンス」となる対象が若干変わる場合があります。

 

ここでは、各業界の様々な「エビデンス」の使い方をまとめてみました。

 

 

「エビデンス」の3つの使い方
①「ビジネスシーン」での使い方

ビジネスシーンにおいて「エビデンス」とは、大きく2パターンで使われます。

 

「証拠」として使われる場合

契約や覚書は、合意内容の「証拠」というニュアンスで使われます。

 

「形跡」として使われる場合

会議の議事録は打ち合わせ内容の「形跡」という意味合いで使います。

 

【使用例】
今日の打ち合わせの内容はすべて録音し、エビデンスとして残しておきますね。

 

この例での「エビデンス」は、もし打ち合わせで契約を結んでいるのであれば「証拠」という意味合いを持ち、単に議事録であれば「形跡」という意味合いを持ちます。

 

 

 

「エビデンス」の3つの使い方
②「IT業界」での使い方

IT業界においても、契約書・覚書・議事録などに対して使われますが、それ以外にも

 

  • 検証データ
  • ログ(記録)

 

などに対しても「エビデンス」という言葉が使われます。

 

たとえば、システムが正常に稼働しているか示すデータは「証拠」、日々の通信データなどのログ(記録)は「形跡」の意味合いで使います。

 

【使用例】
新システムにおける最終テストのエビデンスがこちらです。

 

※この時のエビデンスは「証拠」という意味を持ちます

 

【使用例】
毎日、システム稼働画面のスクリーンショットをエビデンスとして残している。

 

※この時のエビデンスは「形跡」という意味を持ちます

 

 

 

「エビデンス」の3つの使い方
③「医療業界」での使い方

医療における「エビデンス」は主に、治療方針や投薬内容などに対する「科学的な根拠」のこと。

 

具体的に、臨床試験結果や、レントゲン写真、MRI検査結果などを指します。

 

【使用例】
この病院ではエビデンスに基づいた治療をしてくれるから安心感がある。

 

 

 

 

エビデンスベースドとは?6種の言葉の意味

エビデンスに基づく考え方を、「エビデンスベース」または「エビデンスベースド」と言います。

 

たとえば、『その判断はエビデンスベースドではないですね』と言われた場合。

 

意訳すると『その判断は根拠のない考えですね』ということになります。

 

また「エビデンスベースド」がつく言葉は、様々な業界で使われているため覚えておきましょう。

 

 

6つの「エビデンスベースド」
①エビデンスベースドマネジメント

ビジネスシーンにおいて使われる「エビデンスベース」に、「エビデンスベースドマネジメント(Evidence-Based Manegement)」があります。

 

「エビデンスベースドマネジメント」とは、根拠に基づいて意思決定するマネジメント方法のこと。

 

経営者や管理者が、経験や勘などの『主観のみ』に頼って判断しないようにするためにできた考え方です。

 

たとえば人材を採用する際に、「面接官個人が考える良い人柄」と「社内で能力が高い人」との特徴は異なるかもしれません。

 

経験で判断すること自体は悪ではないため、採用の判断基準に「能力の高い人の特性を分析したもの(エビデンス)」も取り入れた方が良いですよね。

 

上記のような考え方を、EBM「エビデンスベースドマネジメント」と言います。

 

 

ビジネスシーンにおいて、個人の意見や不確かな情報は信頼性がなく、決定的な判断材料にはなりません。

 

客観的で正確性のあるエビデンスは説得力があり、ビジネスを進める上で必要不可欠な存在と言えます。


 

 

 

6つの「エビデンスベースド」を解説
②エビデンスベースドエデュケーション

教育の業界においては、エビデンスに基づいた教育政策「エビデンスベースドエデュケーション(Evidence-Based Education)」という考え方があります。

 

これは、教育者の経験に依存した根拠のない教育ではなく、「データを収集分析して得た知見から教育すること」を目指します。

 

 

 

6つの「エビデンスベースド」を解説
③エビデンスベースドポリシーメイキング

行政において取り入れられているのは、エビデンス基づき政策を立案する「エビデンスベースドポリシーメイキング(Evidence-Based Policy Making)」という考え方。

 

ここでのエビデンスは、政策の効果測定に関連する情報や統計データを指し、「根拠」の意味合いで使います。

 

政策の有効性を高め、国民の行政への信頼確保につなげる助けとなります。

 

 

 

6つの「エビデンスベースド」を解説
④エビデンスベースドプラクティス

「エビデンスベースドプラクティス(Evidence-Based Practice)」とは、根拠に基づく実践のこと。

 

これまでの「エビデンスベースド〇〇」は、専門領域別によって名称が異なっていました。

 

しかし、多職種で「エビデンスベースド」の考え方が広まったことを受け、専門領域問わず使える言葉として「エビデンスベースドプラクティス」が用いられるようになりました。

 

主に、医療や福祉、心理学の現場で使われることが多いです。

 

 

 

6つの「エビデンスベースド」を解説
⑤エビデンスベースドアプローチ

心理学において重要な考え方である「エビデンスベースドアプローチ(Evidence-Based Approach)」。

 

治療効果を検証し、そこから得られたエビデンスに基づく心理的サポート(心理療法)のことです。

 

これまでの心理療法の歴史として、「効果がない」「うそくさい」という批判の声が多くありました。

 

しかし統合的に検証した結果、心理療法は有効性が高いことが判明。

 

この検証結果(エビデンス)から、心理療法が発展しました。

 

そして医者の経験だけに頼らない、エビデンスに基づく心理的サポートの重要性が認知されました。

 

 

 

6つの「エビデンスベースド」を解説
⑥エビデンスベースドメディスン

昨今の医療業界では、エビデンスに基づく医療「エビデンスベースドメディスン(Evidence-Based Medicine)」という考え方が重要視されています。

 

エビデンスベースドメディスンとは、『「エビデンス」を総合的に判断して、最善の医療を提供すること』と定義されています。

 

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ここでの「エビデンス」は以下の通り。

 

  1. 患者が望む状態や治療費などからの考慮(根拠)
  2. 医師の技術力(根拠)
  3. 臨床研究結果(科学的根拠)

 

また、「エビデンスベースドメディスン」にはエビデンスレベルがあります。

 

「エビデンスレベル」とは、「判断材料としての信頼性の度合い」を指します。

 

 

申し訳ありませんが、専門外なのでこれ以上の詳細は割愛します。


 

 

 

 

 

「エビデンス」の間違った使い方!

巷で見かける「エビデンスの間違った使い方」を2つ紹介します。

 

 

「エビデンスする」という表現

【誤りの例文】
打ち合わせをエビデンスしてください。

 

ここでいう「エビデンス」は議事録を指しますが、これでは『議事録してください』となんだかカタコトな日本語に。

 

上記の正しい言い方は、『打ち合わせでのエビデンスを取ってください』ですね。

 

たまに見受けられますので注意しましょう。

 

 

 

他のカタカナ語と一緒に多用する

エビデンスに限らず、カタカナ語を多用すると「うざい」「何を言っているの分からない」といった印象に。

 

間違った使い方ではないのですが、「エビデンス」の持つ説得力が落ちてしまいます。

 

たとえば、『この検証結果から資源活用の優先順位を最終決定しよう』という場合に、カタカナ語を多用すると…

 

『このエビデンスからリソース活用のプライオリティをフィックスしよう』

 

となります。

 

人によっては会話の内容が理解できなくなるため、話す相手や状況に応じて適宜使い分けが必要です。

 

 

 

 

エビデンスと「ソース」「ファクト」「プルーフ」の違い

「エビデンス」に近い意味合いを持つカタカナ語には、以下の3つがあります。

 

それぞれ「エビデンス」とどう違うのか、まとめてみました。

 

意味を理解し、ニュアンスによって使い分けましょう。

 

 

「ソース」「ファクト」「プルーフ」との違い
①「ソース」とエビデンスの違い

「ソース(source)」とは、「出どころ」「源」「情報源」という意味。

 

「エビデンス」と違い、明確な根拠を表す「証拠」としての意味を持ちません。

 

たとえば、以下の様なイメージです。

 

【例】ある事件の真相をネットニュースで知った場合

 

  • ネットニュース自体は「エビデンス」であり
  • ネットニュースの記者が「ソース」である

 

つまり「ソース」をたどれば、情報(エビデンス)が信用できるかどうかを判断できます。

 

 

 

「ソース」「ファクト」「プルーフ」との違い
②「ファクト」とエビデンスの違い

「ファクト(fact)」とは、「実際にあったこと」「事実」という意味。

 

「エビデンス」と違い、「証拠」「根拠」という意味を持ちません。

 

「ファクト」は『実際にあったこと』という【結果】であり、「エビデンス」はその【結果】に至る『根拠・証拠』のことです。

 

たとえば、以下の様なイメージです。

 

【例】妻に隠れてタバコを吸っていることが、ごみ箱に捨てた吸い殻と空き箱でばれてしまった場合

 

  • 「タバコを吸っていること」がファクト(事実)
  • 「吸い殻と空き箱」がエビデンス(証拠・証明)

 

 

「ソース」「ファクト」「プルーフ」との違い
③「プルーフ」とエビデンスの違い

「プルーフ(proof)」とは、「証拠」「証明」という意味を持ちます。

 

「プルーフ」は、それ一つで真実が確定するような『決定的な証拠』であるのに対し、「エビデンス」には十分な裏付けとなることもあれば、不十分な証拠となることもあります。

 

たとえばサスペンスにおいては…

 

  • 犯行や犯人の顔がはっきりと映った映像テープは「プルーフ」
  • 動機や状況証拠、自白などは「エビデンス」

 

となります。

 

なお「プルーフ」は、「エビデンス」と違い、「形跡」という意味を持ちません。

 

 

 

 

エビデンスの類義語(言い換え)まとめ

エビデンスをほかの言葉に言い換えると、以下のような表現があります。

 

  • 証拠 ⇒ 真実を証明する材料
  • 物証 ⇒ 物的証拠
  • 根拠 ⇒ もとになる理由
  • 事由 ⇒ 事柄が生じた理由
  • 理屈 ⇒ 物事の筋道
  • 裏付け ⇒ 物事の確実なことを他の面から証明すること
  • 形跡 ⇒ その物事が行われたあとかた
  • 足跡 ⇒ 足あと
  • 痕跡 ⇒ 過去にある事柄があったことを示すあとかた
  • 残痕 ⇒ 残っている跡
  • 事跡 ⇒ 物事が行われたあとかた
  • トレース
    1. 追跡すること
    2. 踏みあと。また、踏みあとをたどること
    3. コンピュータープログラムが実行する過程を追跡し、誤り箇所を突き止めること

 

 

 

 

まとめ

エビデンスについて、意味や使われ方、類語との違いについて解説しました。

 

最後にカンタンにまとめます。

 

  • エビデンスとは英語「evidence」をカタカナ読みした言葉であり、「証拠」「根拠」「形跡」などの意味で使われる
  • 証拠とは「真実を証明する材料」のことであり、例としては「契約書」などがあたる
  • 根拠とは「もとになる理由」のことであり、例としては「レントゲン写真」などがあたる
  • 形跡とは「その物事が行われたあとかた」のことであり、例としては「議事録」などがあたる
  • IT業界においては、「検証データ」「ログ」などの意味合いでも使われる
  • 「ソース」「ファクト」「プルーフ」との違いは一言にまとめきれないため、こちらを参考に