【10秒で分かる】セオリーの意味とは?5つの使い方と注意点を解説します
こんにちは。
大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。
ビジネスの世界で使われることの多い「セオリー」という言葉。
ここでは【中学生でも分かる】を目標に、「セオリー」の意味・使い方・使用時の注意点などを分かりやすく解説します。
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横文字で表現しているだけであり、使い方はとてもシンプルで簡単です。
セオリーの意味とは?まずは10秒で理解!
セオリーの意味について、結論から述べると『経験的に一番良いやり方・方法・手順』のことです。
ここで言う「経験的に」とは、「客観的な見解」はもちろんのこと、「個人の思い込み」も当てはまります。
よく分からないと思いますので、わかりやすく2つの例を出しましょう。
【例】客観的な見解の場合
たとえば飲食店経営においては、「人件費+食材費を、売上の60%以内に収めること」がセオリーだとされています。
これは飲食店経営をしている私の持論ではなく、この業界の常識と言いますか、成功させるためのベースとなる決まった考え方であり、これは一種のセオリーとして間違いありません。
【例】個人の思い込みの場合
私の持論として、飲食店経営においては「味の追求と同じくらい店の内装にもこだわること」がセオリーだと考えています。
これは成功体験からの「(私にとっての)一番良い方法」ですが、言い方を変えると「私個人の思い込み」とも言えます。
このように「客観的」「主観的」な考えを含みますが、これは「セオリー」という言葉を使う上での注意点でもありますので、のちほど解説します。
セオリーは英語の「theory」そのままの意味
なおセオリーとは、英語「theory」をそのままカタカナ読みしたもの。
英語の「theory」には以下のような意味があります。
- 理論
⇒筋道立てて考えた知識全体のこと。論理的知識。
- 学説
⇒学問上の説のこと
- 持論
⇒個人が考えた説
- 定石
⇒決まったやり方
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このように様々な意味がありますが、ざっくりまとめると「経験的に一番良いやり方・方法・手順」のことを言います。
ただし「仮説」「決まったルール」のようなニュアンスでも使われるため、使い方は後ほど「5つの使い方」で例文とともに説明します。
ビジネスにおける「セオリー」の重要性
ビジネスシーンおいて、「セオリー通りに物事を進めること」は重要性が非常に高いです。
たとえば、「定期的に発生する同じ内容の業務」があったとします。
この時、毎回一から手探りで取り掛かるよりも、「一番良いやり方や手順」を利用すれば、誰でも効率的に作業ができます。
このように、ビジネスシーンのセオリーとは「先人の知恵や経験を集め、まとめたもの」であり「ものごとの基礎とすべき考え」とも言えます。
「セオリー」を活用することは、効率よく仕事を進めることに繋がります。
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たとえばテニスが上手くなりたければ、テニススクールに通うのが上達の近道ですよね。
そこには「上達するための一番良いやり方(セオリー)」が多くあるハズです。
ビジネスではもちろんのこと、このように至る所に「セオリー」が存在しています。
「セオリー」の使い方は大きく5つ!
セオリーは、使い方によって意味合いが変わります。
例文とともに、使い方をまとめてみました。
「セオリー」の5つの使い方①○○するのがセオリー
【例文】
『ダイエットには、まず1日1リットル以上の水を飲むことがセオリーです』
この場合のセオリーは、「行うべき効果的な方法」という意味で使われます。
「セオリー」という言葉が用いられる時に、多くがこのニュアンスで用いられます。
「セオリー」の5つの使い方②○○のセオリー
【例文】
『私のセオリーではありますが、ミーティングでは “どんな意見でも受け入れて共感すること” が大切です』
この場合のセオリーは、「持論(個人が考えた説)」という意味。
また『私のセオリーは○○だ』と言うときには、『マイセオリーは○○だ』という表現に置き換えることも出来ます。
「セオリー」の5つの使い方③セオリー通り
【例文】
『この案件は、このままセオリー通りに進めていこう』
この場合のセオリーは、「予定通り」「仮説通り」という意味で使われます。
「セオリー」の5つの使い方④セオリーの確立
【例文】
『新企画のため、まずはセオリーを確立することから考えましょう』
この場合のセオリーは、「方法・やり方」という意味で使われます。
「セオリー」の5つの使い方⑤セオリーに従う(沿う)
【例文】
『セオリーに従って、行動するようにしてください』
この場合のセオリーは、「決まったルール」という意味で使われます。
【注意】「セオリー」は必ずしも正解とは限らない
先ほど『ビジネスでは “セオリー” という概念は重要だ』と説明しました。
「“セオリー通り” に物事を進めるのが手堅い方法」ではあるのですが、以下の理由から必ずしもそうとも言えない場合もあるため、要注意です。
「セオリー」を使う時の2つの注意点①個人の思い込みや、何となく習慣でできたセオリーがある
セオリーには、「個人や団体の、意見や習慣でできたもの」があります。
その中には「個人の思い込み」や「なんとなくの習慣」でできたものも存在し、効率が悪くなる要因に。
【例】
新人は仕事が遅いから、先輩よりも30分早く出勤し、当日の仕事の準備をすること
上記の場合、
- 「新人は仕事が遅い」という『思い込み』
- 『なんとなくの習慣』で決められた「あまいな時間設定」
が、セオリー化されています。
このセオリーでは、誰も教育できない環境下で早出残業しており、作業効率化が望めません。
セオリーについて語る時には、改善点はないか考えるべきでしょう。
そしてセオリーについて教えてもらう時には、そのセオリーが出来た経緯(根本的な意味)を知ることが大切です。
「セオリー」を使う時の2つの注意点②会社や部署によってセオリーが違う
業界や会社、部署において、セオリーの特徴がそれぞれ異なる可能性があります。
たとえば、業務手続きの進め方、上司へのプレゼンの方法など。
転職や異動で環境が変わったときは、新しい環境のセオリーを知る必要があります。
セオリーの「類語」5つと、セオリーとの違い
セオリーの類語や似た意味の言葉には、以下のようなものがあります。
セオリーの「類語」5つ①ロジック
ロジックとは「論理」のことで、【筋道立てて考えるときの、思考の流れ】です。
簡単な例を出すと、「A=B B=C だから A=C」のような【考える時の流れ】のことです。
対してセオリーとは、【知識を筋道立てて一つにまとめたもの】。
たとえば「ほめて伸ばす」という、教育における基本セオリーがあります。
これは、「人間は他者から期待されるとモチベーションがアップし、パフォーマンスが向上する」という【ロジック】を元に確立された【セオリー】です。
つまり「ロジック(論理)」に沿って考えて、生まれるのが「セオリー」と言えます。
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冒頭で説明した通り、セオリーとは『経験的に一番良いやり方・方法・手順』のことです。
つまり「ロジックに沿って考えられた良いやり方」こそが、セオリーということですね。
セオリーの「類語」5つ②ナレッジ
ナレッジとは、本や新聞などから得られる「知識」「情報」のこと。
ビジネスシーンにおいては、「(企業にとって)利益となる知識や経験」を意味します。
対してセオリーとは、「知識を筋道立てて一つにまとめたもの」のこと。
たとえば、「服のコーディネートは3色以内に収めること」がおしゃれのセオリーだとされています。
これは「4色以上だと着こなしが難しい(知識)」「単色コーデが流行っている(情報)」という【ナレッジ】から作られた【セオリー】です。
つまり、「ナレッジ(知識)」を筋道立てて組み立てたものが「セオリー」です。
セオリーの「類語」5つ③マニュアル
マニュアルとは、「取扱説明書」「手引き」のこと。
「物事について基本となる方法を書いたもの」で、一種のセオリーです。
噛みくだいていうと、マニュアルは「失敗しないための手順」であり、一方のセオリーは「成功するための手順」。
このことから、マニュアルは「初心者向け」、セオリーは「上級者向け」なイメージで使い分けられることが多いです。
セオリーの「類語」5つ④コンセプト
コンセプトとは、広告・作品・店舗・料理などを作る際に「ベースとなる考え方・構想」のこと。
「どういうモノなのか」「どういう事なのか」を示したもので、「概念」そのものです。
「コンセプト」を実現するための「方法」や「手順」が、セオリーです。
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たとえば「子どもが喜ぶラーメン屋」がコンセプトだとすると、「おもちゃを用意する」「待ち時間に子供が飽きないようなキッズスペースを作る」などがセオリーですね。
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>>コンセプトの意味とは?なぜ必要?例とともに分かりやすく解説
セオリーの「類語」5つ⑤モットー
モットーとは「座右の銘」のことで、「個人や組織の信念を、カンタンな言葉で表したもの」。
モットーは「心がけ」や「目標」であるのに対して、セオリーは「やり方」や「手順」。
似ているようで、全く違う言葉ですね。
セオリーの反対の言葉(対義語)まとめ
セオリーには色々な意味があるのですが、ざっくりまとめると『経験的に一番良いやり方・方法・手順』のことと説明しました。
実際に多くの場合で、このニュアンスでの使われ方をします。
つまりこのニュアンスに対する対義語を挙げるとすると、「不適当な手段や方法」を意味する『悪手(あくしゅ)』という言葉がしっくりと来るでしょう。
ただし、セオリーの厳密な意味としては「理論・持論・定石」などであり、それらの対義語は以下の通りです。
「理論」という意味合いで見る時の対義語
セオリーを「理論」の意味合いで使う場合の対義語は、「実践」です。
それぞれの意味は以下の通り。
- 理論:筋道立てて考えた知識全体のこと
- 実践:実際に行うこと
「持論」という意味合いで見る時の対義語
セオリーを「持論」の意味合いで使う場合の対義語は、「世論」です。
- 持論:個人が考えた説
- 世論:世の中の意見や、大勢がよしとしていること
「定石」という意味合いで見る時の対義語
セオリーを「定石」の意味合いで使う場合の対義語は、「奇手」です。
- 定石:決まったやり方
- 奇手:普通はしないような変わったやり方
セオリーの「語源」はギリシャ語である
冒頭でも説明したとおり、セオリーは英語の「theory」をカタカナ読みしたものです。
その「theory」の語源は、ギリシャ語の「theoria(テオーリア)」。
テオーリアは、「自分のことや物事に対して、本質を思い、考えること」です。
このテオーリアから転じて「自分の意見」という意味で使われるようになり、「仮説」「理論」という広い意味を持つようになりました。
まとめ
セオリーの意味や使い方について解説しました。
最後にカンタンにまとめます。
- セオリーとは、英語「theory」をそのままカタカナ読みしたものである
- 英語のtheoryは「理論」「学説」「持論」「定石」などの意味を持つが、一般的には「経験的に一番良いやり方や手順」のニュアンスで使われる
- セオリーには「個人の思い込み」や「なんとなくの習慣」でできたものもあり、効率を悪くするものもある
- 「セオリー通り」や「○○のセオリー」など使い方はさまざま