コミットの意味とは?2つの使い方と違い、注意点をやさしく解説

コミットの意味とは?2つの使い方と違い、注意点をやさしく解説します

こんにちは。

 

大阪で、行列の出来るラーメン店「人類みな麺類」など、6つのラーメンブランドを運営している松村貴大(@jinrui_mina_men)と申します。

 

ライザップのCMによって、日本でも馴染みの増えた「コミット」というワード。

 

主にビジネスシーンで使われますが、皆さん「なんとなく知っている」程度の言葉だと思います。

 

そこでこのページでは、「コミット」の意味や使い方、注意点についてまとめました。

 

 

 

 

コミットは、その言葉の使い手によって「細かいニュアンスの違い」が生まれる可能性があります。

 

使い方・使われ方をしっかりと理解しておきましょう。


 

 

 

 

まずはざっくり理解!2つの意味・使い方を解説

コミットは英語の「commitment(コミットメント)」を略した言葉。

 

日本においては、この「コミット」をIT用語ビジネス用語の2つの意味で用いています。

 

まずはざっくりと理解できるように、カンタンに2つの使い方を解説します。

 

 

「ビジネス用語」としてのコミット

ビジネス用語として使われるコミットは、「責任を伴う約束をする」「責任を持って取り組む」というニュアンスで使われます。

 

たとえば『新規プロジェクトの成功をコミットします』と言う場合、それは「責任を持ち、プロジェクトの成功を約束します」という意味です。

 

また『新規プロジェクトにコミットします』という場合は、「新規プロジェクトに対し、責任を持ち積極的に関わります」という強い意志を伴う表現になります。

 

ざっくりと言えば、上記のとおり「責任を持ち関わる」「責任を持って約束する」ということです。

 

しかし『いやいや、“責任を持って取り組む” ことと “約束する” では、意味が異なるだろう』と考える方もいらっしゃると思います。

 

そのあたりは、後ほど「約束」「深く関わる」どちらの意味が強いのか?で解説します。

 

 

 

「IT用語」としてのコミット

IT用語として使われるコミットは、データベースに対するトランザクションにおいて、その更新処理を確定させることを意味します。

 

※トランザクションとは、簡単に言うと「データベースへの複数の変更処理を一つに束ねたもの」のこと

 

 

 

「IT用語としてのコミット」については、このページは深く解説しません。
気になる方は専門サイトをご覧ください。


 

 

 

 

「約束」「深く関わる」どちらの意味が強いのか?

ビジネス用語として「コミット」を使用する場合は、

 

  • 責任の伴った約束をする
  • 目標に対して責任を持って深く関わる

 

という2つの意味で使われます。

 

そのため、たとえばあなたが『目標に対して、積極的に関わります』というニュアンスで用いたコミットでも、相手側に『責任を伴う約束をしてくれた』と捉えられると、認識の差が生まれてしまいますよね。

 

あとあと『あなた、約束すると言ったよね?』というトラブルに繋がる可能性も、「0」では無いでしょう。

 

では、コミットはどちらの意味合いが強いのか?

 

 

大前提としては、どちらも間違いではない

冒頭で説明した通り、コミットは「commitment(コミットメント)」を略した言葉です。

 

そしてこの「commitment」の意味を辞書で調べると、

 

  1. (人や大義などへの)献身、深い関与
  2. (義務に対する)責任、専念
  3. (破れない)約束

 

などと書かれています。

 

日本においては、①②の意味から「責任を持ち、深く関わる」というニュアンスで使われている一方で、③の意味から「責任を伴う約束をする」というニュアンスでも使われているのです。

 

つまりどちらのニュアンスも間違っていないため、使い方には注意が必要です。

 

 

「コミットする対象となる言葉」で意味が異なる

コミットは、その言葉を使う際に「コミットする対象となる言葉」から、意味が変わってきます。

 

【“目標とする状況・状態”を意味する言葉】が付く場合

“目標とする状況・状態”を意味する言葉とは、たとえば・・・

 

  • 完遂をコミットする
  • 実現をコミットする
  • 成功をコミットする
  • 結果をコミットする
  • 問題解決をコミットする

 

などです。

 

この場合は、基本的に「約束」というニュアンスで使われると考えておいて良いでしょう。

 

 

計画や行事などに使われる場合

たとえば『新規プロジェクトにコミットする』『来月のイベントにコミットする』などと使う場合は、「責任を持って深く関わっていく」というニュアンスになります。

 

また『構想案の実現に向けてコミットする』などと使う場合でも、同様のニュアンスです。

 

 

「~に」「~を」では区別できない

余談ですが、とあるwebサイトで『“~にコミットする”“~をコミットする” で使い分けられる』と書かれているのを目にしました。

 

しかし必ずしも「~を」「~に」では区別できないと私は考えます。

 

なぜなら以下の様なケースがあるからですね。

 

  • 新規プロジェクトコミットします

    ⇒「深く関わる」というニュアンス

  • 新規プロジェクトの成功コミットします

    ⇒「約束する」というニュアンス

 

 

ちなみに、「コミット」というカタカナ言葉を日本で浸透させたRIZAP(ライザップ)社は、【結果にコミットする】という言葉を商標登録しています。

 

そしてRIZAPのホームページでは、【「結果を出す」お約束をするということ】と明言しています。

 

『結果コミットします』『結果コミットします』、どちらの言葉も「約束」というニュアンスで使われる事が分かりますね。

 

したがって、必ずしも「~を」「~に」では区別できないと私は考えます。

 

 

 

『あの人はコミットできる人ですね』なんて使い方をするケースもあります。

 

これは「結果に対して、責任を持って仕事に携わっている人」という意味。

 

「結果に対する強い責任感・意志を持って仕事に従事し、周囲から信頼を得られている人」に対して使われる言葉です。


 

 

 

 

「プロミス」と「コミット」は何が違うのか?

コミットと同じく「約束」を意味する言葉に【プロミス】があります。

 

2つの言葉の違いは、その言葉に「責任感・意思の強さ」のニュアンスが含まれるか否か

 

これまでの説明の通り、コミットの使われ方の一つとして「責任を伴う約束をする」「必ずやり遂げる意識で約束する」という意味があります。

 

一方のプロミスは、シンプルに「約束をする」という形式上の意味合いしかありません。

 

つまりビジネスにおいて、相手に対して「成功・目標を達成します」と強い意志・約束を伝えたい場合には、【コミット】を使えばOK。

 

一方プライベートにおける単なる約束であれば、【プロミス】を使いましょう。

 

 

 

 

「コミットメント」とは何が違うのか?

何度も説明している通り、コミットは英単語「commitment(コミットメント)」を略した言葉です。

 

ちなみに「commitment」は名詞であり、動詞は「commit」。

 

日本における「コミットする」という使い方は、「commitment + する」という形になっている事が分かります。

 

ところで「コミットする」という使い方以外にも、「コミットメント」という言葉の使い方も出来ます。

 

 

①「誓約・公約」という意味

ここまで説明から省いていましたが、commitmentには「公約」「誓約」などの意味もあることから、政治の世界ではそれらを意味して「コミットメント」という言葉が使われることがあります。

 

例文
『我々のコミットメントは少子化を食い止めることだ』

 

 

②「深い関わり」という意味

ここまで説明の通り、名詞として「深い関わり」という意味も持ちますので、以下の様な使い方も出来ます。

 

例文
『今回のプロジェクトは社長のコミットメントが大きい』
⇒「社長が深く関わっている」という意味

 

 

 

 

「フルコミット」はコミットの最大表現

日本においては、「full」+「commitment」で【最大限の努力をする】【全面的な責任を持って関わる】という意味で使われています。

 

例文
『前年比130%を目標にフルコミットします!』

 

もともとコミットに「積極的に関わる」「責任を伴う約束をする」という意味がありますが、その意思の強さをさらに強調する際に使われます。

 

 

 

なおフルコミットは和製英語であり、海外では通用しないため注意しましょう。


 

 

 

 

まとめ

コミットの意味や使い方、プロミスとの違いなどについて解説しました。

 

IT業界において使われる時以外は、基本的に「責任を伴う約束をする」「積極的に関わる」という意味で捉えておけばOK

 

しかし「深く関わること」と「約束する事」では意味が異なり、使い方には注意が必要です。

 

ある程度、その前後の文章(言葉)によって意味は分かりますが、最終的には「コミットという言葉を使う人」の意図に左右されます。

 

たとえば『君は結果にコミット出来る人だと思ってるよ。期待しているよ!』と言われたら、あなたはどう捉えますか?

 

「責任を持って全力で頑張れる人」なのか「目標に対して約束できる人」なのか…。

 

「約束」「深く関わる」どちらの意味が強いのか?では使い分けを説明しましたが、使い手の意図により、必ずしもその通りとは限りませんので注意しましょう。

 

このページのまとめ

  • コミットは英語の「commitment(コミットメント)」を略した言葉である
  • ビジネス用語として使われるコミットは、「責任を伴う約束をする」「責任を持って取り組む」というニュアンスで使われる
  • IT用語として使われるコミットは、データベースに対するトランザクションにおいて、その更新処理を確定させることを意味する
  • 『完遂をコミットする』『結果をコミットする』などと使う場合は、基本的に「約束」のニュアンスで使われている
  • 『新規プロジェクトにコミットする』などと使う場合は、基本的に「責任を持って深く関わる」のニュアンスで使われている
  • とは言え、最終的には「その言葉の使い手」がどのような意図で発しているのかによって、細かいニュアンスは異なってくる
  • プロミスとの違いは、「その言葉に“責任感・意思の強さ”のニュアンスが含まれるか否か」である
  • 名詞として「コミットメント」というワードが使われることもある
  • さらに強い意志を表示する際には「フルコミット」という言葉も使われる